日本盤のレコードの大きな特徴は、帯とライナーノートの存在です。帯は、そのレコードのタイトルやキャッチコピーなどが帯状に掛けられた物で、コレクターもいます。
今回はライナーノートについて解説します。
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ライナーノートについて
日本盤のレコードには必ずある「ライナーノート」。そのアルバムをより理解してもらう為に、アーティスト情報、アルバムの制作理由、聴くポイント、周辺情報などが記載されています。
海外のアーティストが日本でライブを行った時、日本の観客は他の国のオーディエンスより、曲の理解度が高い、と言っていました。
これは、日本のリスナーがライナーノートを読み込んでいたからだと、言われています。
インターネットがなかった時代には、ライナーノートの内容は貴重な情報源でした。
グレイス・ジョーンズのアルバムのライナーノートを読む
写真はグレイス・ジョーンズの「スレイブ・トゥ・ザ・リズム」のジャケットとライナーノートです。
このアルバムを選んだ理由は、通常のアルバムとは違い、制作理由も曲自体もジャケ写も特殊で、なんの予備知識もなく輸入盤を聴いても、よく分からないからです。
字が小さいので、アルバムを理解するうえで重要なポイントをまとめました。
ポイント①全部同じ曲で、ヴァージョン違い
ポイント②このアルバムがグレイス・ジョーンズの半生を描いたもの
ポイント③プロデューサーがZTTレーベルのトレヴァー・ホーン
ポイント④グレイス・ジョーンズについて(モデル、歌手、俳優、コマーシャルなタレントで大スター)
ポイント⑤「スレイブ・トゥ・ザ・リズム」が初主演映画(アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コナン」シリーズ)の挿入歌(採用されなかった曲)で、トレヴァー・ホーン他による制作
ライナーノートを読んで分かる事
このアルバムが、グレイス・ジョーンズがモデルや俳優の片手間としての歌手ではなく、唯一無二の個性を持ったシンガーに成長し、次へのステップに踏み出す前に、これまでの人生を総括した異色のアルバムである事が分かります。
曲自体は過去にトレヴァー・ホーンらが提供して、陽の目を見なかったもので、それを基に全く違う曲に作り変え、1曲でアルバムで1枚にしてしまい、なお且つグレイス・ジョーンズの自伝にしたと言う、とんでもないアルバムが「スレイブ・トゥ・ザ・リズム」なのです。
そして、ジャケットの写真は元の写真を少しずつずらして、全く違うインパクトのある写真にしています。このアルバムのコンセプト「一つの曲で違うヴァージョンをつくる」と共通しています。
執筆者の今野雄二について
ライナーノートの執筆者は、音楽雑誌の編集者やフリーのジャーナリスト、音楽評論家、ラジオのDJ達でした。
今野雄二は雑誌編集者を経て、映画、音楽の評論、紹介をした人で、NYのクラブシーンやゲイカルチャーにも詳しい人でした。
グレイス・ジョーンズは、80年代のNYを代表するディスコ「STUDIO54」の顔とも呼べる存在でしたしたし、彼女を支持したのは、ゲイの人達が中心でした。
その背景から、今野雄二がこのアルバムのライナーノートの執筆者として、適任だったと言えるでしょう。
まとめ
ライナーノートを隅から隅まで読むことで、そのアルバムの理解力が格段に上がります。うにも、このアルバムのライナーノートを 10回位読みました。その度に発見があります。疑問点はネットで調べたりね。みなさんも日本盤を買ったら、ぜひライナーノートを読んで下さい!
おわり
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